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年の瀬の三日連続読み

神田松之丞さんが12/28~30に神田連雀亭で行った「畔倉重四郎」の連続読み(1話~12話)に行ってきた。

講談を聴き始めた頃にいった落語藝術協会の若手による勉強会「グズグズ寺」で、松之丞さんはこの「畔倉重四郎」の第5話である「金兵衛殺し」を演ってらしたのを覚えている。そのため、だいたいのストーリーは知っていたのだが、今回最初から、しかも連続で聴けたことで、ざっかけなく言うと、すごい分かった。笑。

主人公の重四郎のほか、この物語のもう一つの線である城富という登場人物がいて、主にふたつの物語が重層的に進んでいるのであった。ほう。

初日、第一話「悪事の馴れ初め」で重四郎が緞帳芝居みたいなの?観に行くくだりが印象に残っている。そこで時代物の鎌倉三代記がかかっていて退屈みたいな流れなんだけど、えー鎌倉三代記おもしろいよー!って反論したくなった。でもね、床の大夫が褌で蚊を団扇で追いながら語るとかいう描写で苦笑い。昔の小さな芝居小屋の風情を垣間見れておもしろかった。

重四郎が恋してラブレターなんかも書いて、それを見つけられててんやわんやの後、殺し。おい!

二日目、浅いと思っていたらいきなり深くて、どぶん、となった。手をはなさないで。重四郎の悪巧みである。殺しまくる回が続く。六話の「栗橋の焼場殺し」で、重四郎が「死んだらどこいっちゃうんだろうな」みたいなことを何度がつぶやいていて(たぶん)、それがなんだか虚無的に感じた。七話「大黒屋婿入り」の重四郎の色男振りを見てよ。ちょっと!

三日目、10話「おふみの告白」をおもしろく聴いた。平行線にのびる糸だった城富とおふみが交わった。片や実父の仇が重四郎と知らずに真相を追い、片や主人である二代目大黒屋十兵衛に不信をつのらせている。今は亡き前夫三五郎の問わず語りがおふみの口から城富へ、城富から大岡越前守へ。糸がより合わさって太い縄となり重四郎を囲い、じわりじわりと追い詰めていく様。機は熟し12話「重四郎召し捕り」で縄が引かれる。

もうひとつ、「おふみの告白」では脇本陣に宿った城富が絵本太閤記の尼崎を弾き語り。いわゆる太十ですね。人形浄瑠璃好きなわたしとしては嬉しいエピソードです。城富すごい! おふみの前ではあんなにうぶなのにね、城富かわいい。

さあ、どうなるの!? ってとこまでで来年、来年。松之丞さん、これ以降はまだ持っていないそうです。ともあれ、たのしい三日間だった。はぁ。もっともっととせがみたくなる。講談をすきになってよかったと思える連続読だった。

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