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どんな話があるの?

参考文献 : 『定本講談名作全集 別巻』講談社(1971年刊)

1.軍談(ぐんだん)

講談の起源ともいえる読み物。

戦争のことを記した軍記に調子(節)をつけ、面白く読み聞かせたもの。

修羅場(合戦場・戦場)のくだりなどは、一種独特の節をつけたり、早口で弁じたて緊迫の気分を出す。独自の様式があり、文章にも一定の型がある。

例:「太平記」「源平盛衰記」「川中島軍記」「味方ケ原戦記」「難波戦記」など

2.御記録物(ごきろくもの)

軍談よりも娯楽的興味が求められ生まれた読み物。諸家の先祖の出世美談、豪勇ぶり、名君良将の物語など。時代物とも。

例:「太閤記」「真田三代記」「清正誠忠録」「永井伝八郎」など

 

御記録物の中には以下のようなジャンルが細分される。

もともとは記録物の部類に入るが、この種の読み物が非常に多くになるにつれ、独立のジャンルとして扱われるようになる。

2-1 騒動物

いわゆる諸家のお家騒動。金襖物とも。大名などの家中で跡目相続や寵臣・愛妾をめぐる派閥争いなどから起こる紛争などで、忠臣の苦心、活躍を描く。最後に公儀の手をわずらわし、評定所で裁断されたものを評定物(ひょうじょうもの)とも言う。

例:「伊達騒動」「鍋島猫騒動」「佐倉義民伝」「大岡政談」「徳川天一坊」「畔倉重四郎」「村井長庵」など

 

2-2 武芸物、仇討物

例:「柳生三代記」「宮本武蔵」「寛永三馬術」「笹野名槍伝」

  「曽我物語」「赤穂義士伝」「伊賀の水月」など

3. 世話物(せわもの)、端物(はもの)

当代の世態・風俗・人情を背景とし、当代の出来事に取材したもの。特に、江戸時代の町人社会(武士以外の人々)に取材したもの。色恋、義理人情、人殺しなど。

ごく軟らかい読み物を「純世話物」(きぜわもの)、軟らかすぎず硬からずを「準世話物」(まぜわもの)という。

また、もとは短編の読みきりを主としているため、長編の連続読み物ものに対して、「端物」(はもの)ともいう。

 

細分されるものとしては以下のとおり

3-1 白浪物(しらなみもの)

純世話物に属する。いわゆる泥棒物。幕末天保の頃から明治中期まで流行。

例:「石川五右衛門」「鼠小僧治郎吉」「天明白浪伝」など

 

3-2 力士物

歴代横綱の伝はほとんど講談になっているほど多くある。

例:「寛政力士伝」「関取千両幟」など

 

3-3 怪談物

天保の頃より流行。落語家の怪談噺(三遊亭円朝が創案した芝居噺の変型)が流行し講談でもはじめられたと言われるが、もともと講談には亡霊や怨霊などが登場する演目が多々ある。

例:「四谷怪談」「小幡小平次」「番町皿屋敷」「小夜衣草紙」など

 

3-4 侠客物(きょうかくもの)

準世話物に属する。義理・仁義に厚い親分、貸元などを主人公とする。別名、三尺物(さんじゃくもの)とも。

例:「幡随院長兵衛」「野狐三次」「清水次郎長」「天保水滸伝」「祐天吉松」など

 

3-5 漫遊記・道中物

例:「黄門漫遊記」「一休諸国ばなし」「柳生十兵衛隠密道中」など

 

3-6 高僧伝

 

3-7 名人奇人伝

大工、彫刻師、画工、狂歌師、俳優など各種の名匠、名人などの物語。

例:「左甚五郎」「夜もすがら検校」「名医と名優」「中村仲蔵」など

 

4.新作

明治時代以降に創作されたもの一般を指す。

例:「明治女天一坊」「白虎隊」など

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