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THE定番

 

よく高座で出会うような定番の演目や登場人物たちを取り上げてみたいと思います。

おすすめの本はこちらへどうぞ!

「天保水滸伝」

   世話物(侠客物)

笹川繁蔵(ささがわ の しげぞう)

1810~1847(文化7~弘化4) 

江戸後期の博徒。下総国須賀山村(香取郡笹川)の酒造家の子。本名:岩瀬繁蔵。相撲をよくし、一時江戸へ出て千賀の浦部屋に入るがその後帰郷。賭場への出入をするようになってから徐々に認められ、貸元、十一屋(旅籠)の跡目を継いで利根川沿岸の大親分となる。諸国の親分衆を集めて開いた笹川の花会が有名。縄張り争いから飯岡助五郎に暗殺された。講談・浪曲の「天保水滸伝」では善玉として描かれている。

天保水滸伝 書影

「清水次郎長伝」

   世話物(侠客物)

清水次郎長(しみず の じろちょう)

1820~1893(文政3~明治26) 

幕末・明治初期の侠客。本名:山本長五郎、通称:清水次郎長。駿河清水の船頭雲不見三右衛門の3男。母方の叔父・米問屋山本次郎八の養子となる。“次”郎八の倅の“長”五郎、で「次郎長」と呼ばれるようになる。家業である米商につとめるが、のち清水湊の無宿となり、博徒の親分として勇名をはせた。3度結婚をするが妻はすべてお蝶とよばれた。慶応二年(1866)伊勢荒神山(三重県鈴鹿市高塚町)での黒駒勝蔵、伊勢桑名の穴太徳(あのうとく)らとの争いが有名。後世は船宿を経営しながら、社会事業などに尽くした。

神田伯山 清水次郎長

「慶安太平記」

   騒動物

由井正雪(ゆい しょうせつ)

1605~1651(慶長10~慶安4) 

江戸前期の軍学者。駿河国油井の生まれ。姓は由比(ゆい)とも。幼名:久米、弥五郎、富士太郎。通称:正雪(嘯雪)、張孔堂先生。紺屋に生まれ、17歳で江戸へ出て浅草聖天町の鶴屋に奉公した後、楠不伝に軍学を学び、神田連雀町に兵学の塾を開く。巷説によれば、3代将軍徳川家光の死から3か月後の1651(慶安4)7月、浪人を集めて駿府城と久能山をおさえて金銀を奪い、江戸では江戸城北の丸に火をかけて町を焼き払うという計画を立てたが、未然に発覚。幕府の追補をうけて駿府茶町の梅やで自害した。いわゆる「慶安の変」。

 

「畔倉重四郎」

   騒動物(大岡政談)

畔倉重四郎(あぜくら じゅうしろう)
~1726(~享保11) 

有馬玄蕃頭の浪人畔倉重左衛門の息子。「美男と言殊に手跡も能其上剣術早業の名を得し者」。当時25歳くらい。穀屋平兵衛の殺害をはじめとする数々の犯罪を犯し、享保11年(1726年)大岡越前守忠相に裁許され、上千住小塚原において処刑される。

畔倉重四郎 書影

「徳川天一坊」

   金襖物(大岡政談)

大岡忠相(おおおか ただすけ)

1677~1752(延宝5~宝暦元年)

大岡越前.jpg

江戸時代前期-中期の武士、大名。

大岡忠高の4男。享保2年8代将軍徳川吉宗によって江戸町奉行にとりたてられ越前守(えちぜんのかみ)と称した。公正な裁判,物価の安定,町火消の結成,小石川養生所の設立などに力をそそぎ名奉行といわれた。のち寺社奉行。寛延元年奏者番をかね,加増されて三河(愛知県)西大平藩主となった。1万石。宝暦元年12月19日死去。75歳。通称は市十郎、忠右衛門。「徳川天一坊」のほか、「慶安太平記」「村井長庵」に登場。

徳川天一坊実記 書影

「村井長庵」

   騒動物(大岡政談)

村井長庵(むらい ちょうあん)

天保の頃(1840年頃) 

三河(愛知県)の貧農の生まれで、出世を願い江戸へ出て麹町の町医者となる。義弟重兵衛が娘を吉原に売った金を奪い殺害。その罪を自分の患者である浪人になすりつける。その後も実の妹を仲間を使って殺害するなど、極悪非道の限りをつくすが、やがて大岡裁きの前に罪を白状。河竹新七(黙阿弥)により「勧善懲悪覗機関(かんぜんちょうあくのぞきからくり)」として歌舞伎化された。

「宮本武蔵伝」

  武芸物

宮本武蔵(みやもと むさし)

1584~1645(天正12~正保2) 

江戸前期の剣豪。十手の名人新免無二斎の子。生まれは美作・播磨ともいう。名:政吉、玄信、二天。関ケ原の戦で西軍に加わる。のち諸国を遍歴し、吉岡清十郎らと立ち会い二刀流の奥義を開眼する。生涯60数回の試合に敗れたことなしといわれる。とくに1612(慶長17)豊前国船島での佐々木巌流との試合は有名。のち小倉藩に留まり、さらに熊本藩主細川忠利の客分となった。この間、大坂の陣、島原の乱鎮圧軍に加わったともいわれている。剣術のほか、絵画・彫刻・近郊にもすぐれていた。著書に「五輪書」がある。

 

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「仁義なき戦い 広島死闘篇」

  侠客物(新作講談)

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東映やくざ映画の後期を代表する人気シリーズ「仁義なき戦い」の第二作目、広島死闘篇を講談化。監修に落語作家の今井ようじ氏を迎え、旭堂小南陵、旭堂南龍の両先生により初演。

戦後の混乱期の広島、ふとした出会いから、博徒村岡組組員となった山中正治が、暴力と計略に翻弄されながら、ヤクザの世界で殺人鬼と呼ばれるまでを描く読み物。

 

「天明白浪伝」

 世話物(白浪物)

稲葉小僧(いなば こぞう)

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