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  • わたし

もぐらの新助と潮来遊廓

雨が続くお盆ですね。

気温が上がらず、過ごしやすいのはいいのですが、九州地方や広島で災害の恐れがあるとのこと。どうかひどいことになりませんように。


今週末は「天保水滸伝」の「潮来の遊び」をまとめました。

潮来遊廓が舞台のお話。


●もぐらの新助のこと

この話には飯岡方の下っ端やくざ、もぐらの新助が出てきます。

「全国侠客有名鏡」(侠客番付)を眺めていたところ、一番下段に「もぐらの新助」がいました! まさか、もぐもち(もぐらの新助のあだ名)が番付に載っているとは思っていなかったのでビックリ!

方や、笹川方の勢力富五郎が一番上段にいることからも、この格差は歴然です。

この「全国侠客有名鏡」は大変興味深いので、また別の機会にご紹介したいと思います。


●潮来遊廓のこと

「天保水滸伝 潮来の遊び」の中で、潮来遊廓は「関東の三場所」のひとつとして紹介されていました。

関東の三場所とは、潮来、祝町、松岸のことだそう。


ここで一冊の本をひっぱりだしたわたし。


『全国遊廓案内』編者 日本遊覧社、復刻編者 渡辺豪(カストリ出版 2016年刊)

原著は昭和5年(1930年)の発行。

書名の通り、日本全国および外地を含む遊廓のガイドブックです。

都道府県別に各遊廓の紹介があり、項を繰ってみると、茨城県の潮来遊廓、大洗の磯濱町遊廓(祝町)、千葉県の銚子町松岸遊廓が掲載されていました。

水郷の地とあって、潮来や松岸は船での道程が定番だったよう。


東国三社(鹿島神宮、香取神宮、息栖神社)とともに、関東の三場所が栄えていたのかもしれません。

一方は今でも多くの参詣がある神社ですが、一方の遊廓はすべて幻のように消えてしまった場所。その痕跡すら見つけるのは難しいようです。講談の中では煌々と灯をともしている遊廓。その火影は利根の水に映っていたのでしょうね。


引き続き、史実と物語を往還しながら、たのしんでいきたいと思います。

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