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わたし
- 2021年10月31日
旭堂南湖「映画 講談難波戦記 -真田幸村 紅蓮の猛将-」
10月も最終日。 今日は投票へ行った帰りに雨に降られてしまいました。 帰宅後、お茶でひと息つつつ、講談のDVDを観ました。 DVD「映画 講談難波戦記 -真田幸村 紅蓮の猛将-」2016年ユニバーサルミュージック(96分) 上方講談の旭堂南湖(きょくどう・なんこ)さん口演による難波戦記です。 内容は オープニング 九度山脱出 大坂入城 大坂冬の陣 大坂夏の陣 エンディング この映像とても凝っています。 たんなる講談の口演映像ではなく、解説や字幕、CGや音響効果が入っています。というと、コラボ作品?なんか邪道?と思われる方もいるかもしれません。そういうわたしもコラボについては、非常に注意している一人です。 でも、この作品は加工がほど良く、コントロールが効いていて、とてもよい仕上がりでおもしろい! 口演の中にでてくる人名、地名、物語内の和暦月日、難しい言葉の説明が表示されます。それぞれが文字フォントと場所を定めて表示されるため混乱しません。表示も多すぎないため、文字を追うのが忙しいということもない。実は講談を聴いていて難しいなと感じるのは、出てくる人

わたし
- 2021年10月24日
すみの隠居と河竹黙阿弥
めっきり秋めいて、朝晩は寒くなってきましたね。 今日は畦倉重四郎を聴いていて出会った言葉、「すみの御隠居(ごいんきょ)」についての覚書です。 畦倉重四郎がついに捕縛されて、牢に収監されます。 切れ者の畔倉は牢内で見込まれ、すみの御隠居という立場となり有利に過ごします。このすみの御隠居とは、牢内の囚人たちによるヒエラルキーのうち、牢名主に次ぐ地位のことだそうです。 ふふーん。 牢名主は耳にしたことはあります。牢内の布団を敷き詰めてその上にどっかり座って、偉そうにしている。役人たちも一目置くような筋の者、というアレですね。 すみの御隠居は初めて出会いました。 知らない言葉にでくわした時のいつもの習慣で、辞書を引いてみました。 あまり期待していなかったのですが、載っていた! すみ の 隠居(いんきょ)
江戸時代、江戸小伝馬町の牢内で、囚人が私的に設けた牢内役人の一つ。また、その者。以前入牢したとき、牢名主をしていて、牢内の法に精通している者などがなる。 *歌舞伎・四千両小判梅葉〔1885〕大切「角の御隠居のお声掛りだ」 小学館『日本国語大辞典』より へ


わたし
- 2021年10月17日
祝『本牧亭の灯は消えず』文庫化
YouTube神田伯山ティービィーで「宝井琴調×神田伯山「忘れじの講釈場・本牧亭」」を観ました。 これは、1991年に駸々堂出版より刊行された石井英子/著『本牧亭の灯は消えず 席亭・石井英子一代記』が、中央公論新社より文庫化して発売されるのを記念しての対談です。 番組の中で、若い頃の琴調先生が本牧亭で公演された際の映像が流れます。とても貴重ですね。檜舞台や裏側まで贅をつくしていて、小屋づくりから強い美学を感じます。それだけに席亭であった石井英子さんがどのような心意気で本牧亭をきりもりされていたか気になります。 10/19(火)中公文庫での発売、たのしみに待っています。 それにしても、本牧亭を語る時の琴調先生がとても嬉しそう! こちらまでニコニコしてしまいました。講談が苦しく食べていけない時代だったと思われますが、その苦労も青春と若さの思い出として輝いた時代なのでしょうね。それだけ頑張っていたという証拠、まぶしいです。 個人的におもしろいなぁと思ったのは、神田松鯉先生に髪型の許可を取る義理がたい琴調先生のエピソード。ちょっと落語界にも似た話を聞いた

わたし
- 2021年10月3日
荒神山の手打ち式
緊急事態宣言が解除され、どことなく街に安堵の雰囲気を感じる今日この頃です。 気候も秋めいて気持ちいい。 どこかへ行きたい、そう思いつつ、調子に乗ったらまた年末におこもりになるのでは?といった不安もあります。 遠くへのあこがれを持ちつつ、思い出した一枚の写真。 清水の次郎長の外伝でわたしが最も重厚で集中を感じる「荒神山の間違い」。この時の騒動の手打ち式(和解成立の手締めといったところでしょうか)の写真が残っているのです。 最初は、え?と戸惑いました。 何とはなしに、次郎長は近世の侠客と感じていたからです。 よくよく調べると、荒神山(現在の鈴鹿市)の争いは慶応2年(1866年)の出来事。慶応4年で江戸から明治に改元されますので、幕末も幕末、近代に足をかけた時代でした。 この写真にもある通り、髷姿の人もあれば、次郎長をはじめ総髪の人もいる。写真も気軽に撮れる時代となっていたのですね。史実に基づいた出来事ということが、写真から生々しく感じられ、じっと見入ってしまいます。 ちなみに、次郎長の生没年は文政3年(1820年)~明治26年(1893年)。 荒神山