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わたし
- 2021年5月30日
寛永三馬術フィールドワーク(愛宕山出世の石段)
三度目の緊急事態宣言も再延長が決定されました。心も体も淀み気味。机の前を離れて、散策に出ることにしました。 目指すは愛宕神社。 「寛永三馬術」のうち、「愛宕山梅花の誉れ」(出世の春駒、愛宕の春駒とも)でお馴染みの愛宕神社。その急な石段、「出世の石段」を登ってみたい、と訪れました。 2020年6月に暫定開業した虎ノ門ヒルズ駅から歩くこと5~6分でしょうか。港区の高層ビルや広い道路を行くと、神社の緑が見えだします。ちらりと東京タワーも。 着いた! 赤い鳥居のすぐ先に目指す出世の石段(正面男坂)がそびえています。 おおお、実際目にすると本当に急斜面!これを馬で登ったの!? 馬を操る乗り手、そして馬の度胸もさることながら、馬の腰が心配よ… 一段一段が大きくて、高さもあり、前傾姿勢じゃないと後ろに倒れそうで怖い。端の手すりをつかみながらゆっくり上ります。途中、息が切れて足も重くなり一休み。話のなかの馬のように振り返ってみると、うわわ…めまいがしそう…。 講談の中では186段となっていますが(別バージョンもあるかも?)、実際は86段。登り切って遠くをみると、


わたし
- 2021年5月23日
森暁紅/著『芸壇三百人評』
なにげなく桃川如燕を追っている途中で見つけた本をご紹介。 森暁紅/著『芸壇三百人評』明治40年(1907年)刊 ※国会図書館デジタルコレクションにリンクを張っています。 インターネット公開(保護期間満了)していますので、ぜひご覧になってみてくださいね。 著者の森暁紅(もり ぎょうこう)は明治から昭和期の編集者、演芸記者。 落語家、講談師、浪曲師、俳優など、芸人300人についての短評が書かれています。何が面白いって、とにかく芸人評価が厳しい!ばっさばっさと斬っていきます。とはいっても、酷評するばかりではなく、評価すべき芸人はちゃんとほめています。これだけ書けるのですから、相当数の場数を踏んで芸を見聞きして評価をしていると思われます。 少し内容をご紹介しますと、 桂文楽「(前略)話口と云い、音曲と云い中々に捨て難い茶味が有ツて、踊りは又あざやかなもの(中略) 是れ等をこそ話し家の粋と思ふが、人はさまでに買はざるべし。」 春風亭柳朝「(前略)一體全體どう云ふわけで此人が大看板でございましょうネ、ヤレヤレ此頃若返って芝居話ときたら有難過ぎて涙がこぼれる」

わたし
- 2021年5月16日
久世番子「ひらばのひと」第1巻
講談の世界を描く漫画、久世番子先生の「ひらばのひと」第1巻が4月末に発売になりました。
講談を扱った漫画って初でしょうか? 世の中の盛り上がりを感じます。発行元が講談社というのもいいですよね!自社の創立発展の由来となった講談関連の本が、今こうしてまた講談社から発行されるという。 一話ごとに講談の演目を織り交ぜながら、主人公・龍田泉太郎(たつた せんたろう)の成長過程、泉太郎周辺のドラマが描かれていて、読み進むうちに講談業界や講談の演目、寄席ってどんなところ?、講談の独特の作法やルールを知っていくことができます。 そして、タイトルになっている「ひらばのひと」の「ひらば」についても、注釈がありました。 独特の節で読む軍記物の勇壮な場面を、講談で「修羅場(ひらば/しゅらば)」と呼ぶ。張扇(はりおうぎ)を使い、しり上がりに読んでいく。 わたしも講談を知り始めたときに「ひらばってなに?」って疑問でした。そこで、 Q7 ひらば調子ってなに? にまとめた経緯があります。 調べてみて、修羅場のくだりを読む独特の調子と知りましたが、なぜ「ひらば」という音を当

わたし
- 2021年5月3日
萬年橋
みなさま、こんにちは。 GWいかがお過ごしでしょうか? わたしは久しぶりにライブの講談を見に出かけようと思い立っていたのですが、三度目の緊急事態宣言が発出され、あえなく中止となりました。 さあ、なにしよう? もう部屋にいるのは飽きたな… というわけで、特に考えもなく深川と呼ばれる地域、いまの東京都江東区へお散歩に行ってきました。 おそらく、最近ご執心の「妲妃のお百」(妲己とも)の美濃屋小さんことお百が江戸へ出てきてからの居住地が深川だったことが頭にあったからですね。 ただ、準備もなく出かけたので徳兵衛を殺害した深川十万坪がどこなのか?とか実地に確かめるようなことはしていませんので、ご容赦ください。近いうちにきちんとフィールドワークができたらと思います。 今回はのんびりした気持ちで眺めてくださいませ。 天気だけど風が強く、雷雨があったりした一日でした。もう雨の心配がないだろう、という夕方から出かけました。日の落ちかけた隅田川沿い。満々と水をたたえた隅田川。右手へ入ると小名木川(おなぎがわ)です。「妲妃のお百」の中でも、小名木川は会話の端々に何度か出