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久世番子「ひらばのひと」第1巻

講談の世界を描く漫画、久世番子先生の「ひらばのひと」第1巻が4月末に発売になりました。 講談を扱った漫画って初でしょうか?

世の中の盛り上がりを感じます。発行元が講談社というのもいいですよね!自社の創立発展の由来となった講談関連の本が、今こうしてまた講談社から発行されるという。


一話ごとに講談の演目を織り交ぜながら、主人公・龍田泉太郎(たつた せんたろう)の成長過程、泉太郎周辺のドラマが描かれていて、読み進むうちに講談業界や講談の演目、寄席ってどんなところ?、講談の独特の作法やルールを知っていくことができます。


そして、タイトルになっている「ひらばのひと」の「ひらば」についても、注釈がありました。

独特の節で読む軍記物の勇壮な場面を、講談で「修羅場(ひらば/しゅらば)」と呼ぶ。張扇(はりおうぎ)を使い、しり上がりに読んでいく。

わたしも講談を知り始めたときに「ひらばってなに?」って疑問でした。そこで、

 Q7 ひらば調子ってなに? にまとめた経緯があります。

調べてみて、修羅場のくだりを読む独特の調子と知りましたが、なぜ「ひらば」という音を当てているでしょうね?修羅場を「ひらば」というのは講談独自だと思われます。


講談の監修は神田伯山さん。

どことなく泉太郎の様子が伯山さんを彷彿とさせるな?と思うのはわたしだけでしょうか? やる気全開が表には出ていないけど(どちらかというと無気力に見える)、淡々と、でも一定の継続的な熱量で講談と向き合っている姿が。

特にこの一コマに描かれた仕草、わたしは伯山さんを瞬時に思い浮かべました。その仕草、あの調子。講談を聴いているときに自分では意識していないけれど、その講談師の特徴をどこで認識しているのか、そんな認知の不思議を感じた次第です。


これからどんな読み物が取り上げられて、泉太郎はどんな講談師になっていくのか?とてもたのしみです。


この漫画を読んで、わたしの講談の好みもよりわかりました。「わたしの講談事始」で取り上げている読み物が全部連続物!そう、わたしは連続物の面白みにはまって講談につかり始めたのでした。それゆえに「読み物」コンテンツをアップするのに手間と時間がかかってしまう…。でも、この漫画に登場している「鋳掛松」や「扇の的」も大好きな話。一話で楽しめるものも、今後増やしていこうかな?と思った次第です。

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