検索

わたし
- 2021年4月25日
三代目旭堂小南陵「明治期大阪の演芸速記本基礎研究」
こちらのYouTubeチャンネル「講談ひるず」の中で紹介されていた本、気になって図書館で借りてきました。 三代目旭堂小南陵(著)「明治期大阪の演芸速記本基礎研究」1994年 たる出版 後に続、続々と合計3冊が出版されています。 3代目旭堂小南陵、2006年に4代目旭堂南陵を襲名、2020年没。 (現5代目である小南陵さんがこの動画の中で、世系についての興味深いお話もされています。) さて、この本ですが。 圧巻! 速記本の書誌情報が膨大すぎて、何をどう読み進めたらいいかまだわからないけど…。 索引が欲しい! 講談に限らず、落語、浪曲に関する速記本のタイトルと口演者を眺めているだけでも、何時間でもたのしめそう。演題や演者は知っているものもあれば、知らないものもざくざくでてきますし、現在同名の芸人さんがいたとしても、この本に載っているのは先代だったり。 例えば、「二代目旭堂南陵」「玉田玉秀斎」「神田伯龍」「談州楼燕枝」「隅田川馬石」「桃中軒雲右衛門」などなど。 魅力的で聴いてみたい演題ももりもりで、見渡す限り宝の山です。 三代目はここに載せている速記本

わたし
- 2021年4月18日
追跡「妲己のお百」海坊主編
「妲己のお百」に俄然興味が湧いてきました。 先週のブログで、此花千鳥亭の配信で旭堂小南陵さんの連続読み「妲己のお百」を追いかけ視聴している旨を書きました。そして、立川談志師匠が「妲己のお百」を口演している情報も。 ■「立川談志ひとり会 落語CD全集」第11集(2006年 発売:竹書房 販売:コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社) 音源が届いたので聴いてみたところ、これが実におもしろい。1970年の公開録音で、峰吉殺しの場面です。談志師匠は不肖わたくしめ、ほぼ初体験。これが世にいう談志師匠のすごさなのかと目が覚めました。連続読みを想定していない口演なのでおもしろいところをギュギュっとまとめあげて、幽太も出して会場からはキャーという悲鳴が上がっています。 ますます「妲己のお百」を求める気持ちが高まりました。 そこで、他に何か資料はないかと探していたところ、いくつかこれは!?というものをみつけましたので、少しずつ調査を進めます。 まずは、 ■「江戸から東京へ」第7巻 (矢田插雲著 1981年中央公論社刊) この本は東京の地誌、歴史をまとめた


わたし
- 2021年4月11日
本や配信や猫
年度末、年度始め、忙しいですね。 週日は仕事、週末にこのサイトをコツコツ編集しているわけですが、ちょっと息切れ。 インプットの週末にすることにしました。 気になっている本や配信をみたり。 ・成田三樹夫著「鯨の目 成田三樹夫遺稿句集」無明舎出版1991年 「仁義なき戦い 広島死闘篇」の松永役をされていた成田三樹夫さんの俳句集です。ヤクザ役のいかついイメージしかなかったので、句作をされたり(自由律俳句)、すごい読書量にびっくり。おだやかで静かに熱い情熱を秘めていた方だったのかな?という印象を持ちました。仁義なき戦い以外にもご出演作を観てみようかな。 目鼻口とけおうている野の仏 成田三樹夫 ・旭堂小南陵「妲己のお百」 YouTubeチャンネル「此花千鳥亭テレワーク寄席」の中の企画「テレワーク連続講談千鳥亭」で、旭堂小南陵さんが読まれている毒婦伝「妲己のお百」。去年から開始され毎週15分程度の連続読みで、現在36回まできています。この毒婦伝がすこぶるおもしろい。昨年一時期毎回聴いていたのですが、途中で脱落してしまいました…。これを最初から観て追いかけよう

わたし
- 2021年4月4日
小村雪岱と講談「毒婦高橋お傳」
三井記念美術館で開催さいている「小村雪岱スタイル」へ行ってきました。 日本画家であり、泉鏡花作品の装幀、新聞小説の挿画で活躍した小村雪岱(こむら せったい;1887-1940)。好きなんです。 なぜ講談ブログで小村雪岱? はい、それは講談ネタにもなっている「毒婦高橋お傳」につながる話なのです。 先述したとおり、雪岱は新聞小説の挿画で名を馳せました。その中でも邦枝完二(くにえだ かんじ;1892-1956)の新聞小説「おせん」(東京朝日新聞、1933年)、「お傳地獄」(読売新聞、1934年)の挿画でいつくかの代表作を残しています。 この新聞小説「お傳地獄」は明治の毒婦と呼ばれた実在の殺人犯、高橋お伝(たかはし おでん;1850-1879)をモデルにしています。当時ショッキングな事件として取りざたされていたため、講談「毒婦高橋お傳」として創作もされたのでしょう。 わたしが小村雪岱を知ったのは泉鏡花がきっかけでしたが、邦枝作品「お傳地獄」の一挿画を見て、その構図の斬新さが強く印象に残りファンになりました。講談とは別の出会いをしているわけですが、ある時、


わたし
- 2021年4月2日
追悼 田中邦衛
3月24日に俳優の田中邦衛(たなか くにえ)さんがお亡くなりになったという訃報。驚きました。老衰、88歳だったのですね。 わたしの中では「仁義なき戦い」の槙原政吉役、そして「北の国から」の黒板五郎役が強く印象に残っています。なので、田中邦衛さんといえば、50代くらいまでの面影が浮かびます。 仁義の槙原、卑怯でしたね! 講談版「仁義なき戦い」をきっかけに映画を観たのですが、いやらしい小者ヤクザ感がとてもよかったです。 最初の頃のウソ泣きなんてかわいいもの。 寝返り、裏切り、山守の側でうまいことやっている小賢しさったら! ご冥福をお祈ります。 また映画やドラマの中でお会いしましょう。