東庄町浪曲会&講談会
千葉県の北東に所在する香取郡東庄町(とうのしょうまち)へ浪曲と講談の会へ行ってまいりました。
千葉県誕生150周年記念 東庄町浪曲会&講談会
令和6(2024)年2月23日(金曜日・祝日)
開演:14時00分 終演:16時30分
開催場所:東庄町公民館大ホール
玉川太福・玉川みね子「祐子のスマホ」
玉川奈々福・広沢美舟「浪曲 東氏物語」
-仲入り-
神田伯山「阿武松緑之助」
神田愛山「天保水滸伝 笹川の花会」
千葉県誕生150周年を記念して東庄町の由来となった東氏(とうし)について、東庄町観光大使である奈々福さんが新作浪曲を書き下ろし、口演するのが今回の目玉。そこに東庄町発祥の「天保水滸伝」で花を添えるのが愛山先生。そして人気の玉川太福さん、神田伯山先生が脇を固めて盛り上げるという、なんという顔合わせ!
当日は寒く冷たい雨と強い川風で生憎のお天気でしたが、開場前から公民館に人が詰めかけて、会場内は熱気でむんむん。開演前に町副町長の挨拶、そして東氏に深い関りがある岐阜県郡上市から来賓されていた方々の紹介がありました。
開口一番は玉川太福さんの浪曲。場を温める浪曲クイズに続いて、攻める新作浪曲「祐子のスマホ」。客席は年齢層が高かったせいか、ガラケーからスマホに機種変更する曲師玉川祐子師匠(当時97歳!?)の右往左往に笑いが絶えませんでした。
そして、本日のメイン。奈々福さんの「浪曲 東氏物語」。
平安末期の千葉常胤(つねたね)から始まる800年の歴史を30分で!
舞台背景に大きなスクリーンを設置、そこに年代や人名、和歌を投影。これが本当に助かりました。耳だけだとどうしても理解が難しいことがあり、スルーっと通り過ぎてわからなくなりそうなところを補助してくれるという。(地図や相関図も出るとよりうれしかったな)
前編後編として、
・平安末期から鎌倉前期の千葉氏から初代「東氏」の誕生=東庄の誕生
・室町後期から戦国時代の美濃国山田庄(現在の郡上市)の領地を巡る東氏の活躍=「歌の家」としての東氏
奈々福さんによって紡がれ、わたしたちを導いていってくださいました。
これ約30分よ、す、すごい…。
創作するにあたっての東庄町、郡上市の取材模様は奈々福さんのYouTubeチャンネル「奈々福チャンネル」に公開されています。
源頼朝に我が父と慕われた千葉常胤のこと、妙見信仰のこと(千葉氏の家紋)、東庄町の神楽が郡上市に伝わっていること、歌の力で山田庄の領地を争いなく取り返したこと。へぇ!な発見がたくさんでした。
そして郡上市に行きたくなりました。
圧巻の奈々福さんの高座で満腹ですが、これで終わらない。
休憩をはさんで第二部は講談です。
伯山さんは相撲ネタ「阿武松」。東庄はお相撲にも縁が深い土地柄のため興味深く、また能登地震に心を寄せる方も多いと思いますので、たのしく興味深く聴きました。携帯の注意喚起も込めてか、マクラは鉄板のsiri「どうしましたか!!!」。爆笑しつつも、今日はどうか携帯ならないで…とハラハラせずにはいられません。
そして最後は愛山先生。
ご当地ネタでもある「天保水滸伝」から「笹川の花会」。
これまで聴いた中で一番詳しく、落ち着いた間の取り方で緊張感が高まり、飯岡助五郎方からの代理である洲崎の政吉の心情が伝わってきました。
でも、でも。ここで携帯が鳴りまくるというオチ…(ツライ…)
たっぷり2時間半で心がホカホカ。
駅へ向かう道すがら、桁沼川を渡り十一屋さんを通り過ぎて、諏訪神社すぐの喫茶クイーンで友人とささやかな打ち上げ。チョコレートパフェを注文しようと思ったところ、お店の方が「今ならイチゴパフェありますよ」と! 先ほどの浪曲会&講談会の最後に、東庄町から演者の方々への名産アイベリー(苺)の贈呈があったこともあり、「ください!」と即決。アイベリーがたくさん乗ったパフェをおいしくいただきました。700円、安い。
パフェを食べて外へでるともう真っ暗になっていました。
熱気の浪曲会&講談会、そして冷たく甘いイチゴパフェにたのしい時間を過ごせました。
お土産に買った茨城県のサザコーヒー。
千葉県東庄町から利根川を渡ると茨城県。
よい苦味の将軍珈琲をいただきながら、東庄町浪曲会&講談会の思い出をしたためました。
そういえば、公演後、調子に乗って東庄町玉川奈々福後援会にも入会してしまった。
こういう遠征、またやりたいです!
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