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わたし
- 2021年6月27日
二代目山陽と上野鈴本
二代目神田山陽の著書『桂馬の高跳び』を読み終えました。 すごい人なんだな~というフワフワした印象しかなかった二代目山陽でしたが、この一代記を読んで、講談の流れが地続きで当時から現在につながっていることを実感することができました。 2000年まで山陽が存命だった、ということ。見ようと思えば見ることができたんだな、と悔しい気持ちがも生まれました。 山陽の講談に残した功績、バイタリティー。受け継がれる山陽イムズ。 今回、書きたいなと思ったことは神田山陽と上野の鈴本演芸場のことです。 山陽は講談の発展、自己研鑽のために、「釈場常連や、半可通の講釈評論家にうけるような、穴居生活的な講釈師で甘んじていてはダメだ。広く大衆に支持される芸能人にならなければ理想は達せられない。」と考えます。 そこで、一龍齋貞山に相談し、落語寄席にも出演できるよう取り計らってもらい、講談寄席ではなくアウェイでの高座を増やしていく。自然、落語家との交流も増え、桂文楽には一門に入れてもらい、数々の恩恵を受けたとのこと。 当時の落語定席は夜席のみで、昼席営業はなかったようですが、上野の鈴

わたし
- 2021年6月26日
南歩さん年季明けおめでとうございます
先日、仕事から帰宅したらポストに何やら大きい郵便物。 開けてみたら、わわわ! 旭堂南歩さんの年季明けの記念品が届いていました。 そもそもの話。 コロナが終息していることを見込んで、5月末は大阪へ行く予定を立てていましたが、コロナ禍の状況がそうさせてくれなかった...。予定に入れていた「旭堂南歩年季明け記念講談会」第三日目の南左衛門先生、南龍さん登場回をあえなくキャンセル。 ところが、ほどなくして、講談会自体が緊急事態宣言の延長により中止が決定。無観客YouTube生配信へと切り替わりました。講談はないものの、南歩さんがゲストとお寿司を食しながら生配信を行うとのこと。 もうこれは一緒にたのしんでしまうしかない! というわけで、当日はお寿司を用意してPCの前にスタンバイ。 一番手に登場した南龍さんの小言に若干ヒヤッとしながらも、普段では聞けないようなお話をたのしみました。また、南左衛門先生のお元気そうなお姿を拝見できてうれしく思いました。一問一答に対するお答えが長い!おしゃべり好きな先生なのですね! 番組の最後には南歩さんによるチャールズ・チャップリ


わたし
- 2021年6月13日
腕守り?ましら?って何よ?
講談と出会って、いろいろ分からないことが出てきます。 調べたり、たくさん講談を聴いているうちに、こういうことかな?と解決できたものを「わたしの講談事始」に記録しています。 講談の概要から、読み物について、諸所さまざまなことを追いかけています。 最近の新コンテンツは「わたしの講談字引」。 自分なりの講談用語辞典を作り始めました。 「Question」シリーズとして特集記事にすることもありますが、それ以外にも知りえた言葉などをまとめているコンテンツです。 ここに追加していくものを考えています。 講談を聴いていると「え?なんて?」ということありませんか? 物語の当時としては当たり前に登場する事物がわからない… 例えば、 「畦倉重四郎」の中でおふみが城富に渡す「腕守り」とは? 笹野名槍伝の海賊退治の中で「ましら」って言っていたけど何のこと? という具合。 そういったことも細かく拾って自分なりの字引帖にできたらな、と思っています。 「わたしの講談字引」の冒頭に上げていますが、各項目の見出し、意味、その下に記号付きの文章がある場合があります。 ◆ … 出典や

わたし
- 2021年6月6日
二代目神田山陽『桂馬の高跳び』
二代目神田山陽(1909-2000)の著作『桂馬の高跳び : 坊っちゃん講釈師一代記』 初版は1986年に光文社から、2020年12月に文庫化され中央公論新社から発行されました。約35年を経て文庫化、再販とは、講談の盛り上がりを感じてうれしいですね。 文庫化にあたり、演芸評論家の長井好弘さんと、六代目神田伯山さんの解説、略年譜、系図、人名索引が追加されています。 みなさま、もうお読みになりましたか? 遅ればせながら、わたしはやっと購入しました。 二代目山陽が講談に夢中になりはじめた関東大震災(1923年)前後からの講談周辺、自身の回想がまとめられています。まだ読み始めたばかりですが、これがおもしろい! 学校をさぼって講釈場にいりびたる山陽少年が見た、当時の釈場の様子や個性的な講釈師たち。当時の日本の世相、東京の様子。わくわくします。 先日ご紹介した、森暁紅/著『芸壇三百人評』(1907年刊)明治40年)とほぼ同時代なので、『桂馬の高跳び』を読みつつ、『芸壇三百人評』を参照すると、より奥行ある当時をイメージすることができるかな?と思いました。 読み