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わたし
- 2022年12月24日
新田の伊七と神田伯龍 その3 ~佐原の寄席~
神田伯龍が口演し新田の伊七が訪れたという佐原の寄席とはいったいどこのことなのでしょう? 前回の記事での推測をもとに、明治時代半ば(1885年前後)の佐原の寄席について調べていきます。 ■佐原(さわら)の概要 現在の香取市の北西部、旧佐原市の中心部に位置する。小江戸三市の一つ。佐原の町並みは平成百景・重要伝統的建造物群保存地区、商家町の歴史的町並みは日本遺産に認定されている。日本地図作成者として有名な伊能忠敬が商人として活躍した地でもある。 佐原から利根川を渡ると、「天保水滸伝」では「潮来の遊び」でおなじみの茨城県潮来市。 1889年千葉県香取郡佐原町(さわらまち)町政施行 1898年佐原駅開業 1951年佐原市制施行 2006年市町村合併により香取市(かとりし)となる ■調査実施 はやる気持ちがわたしを佐原へ向かわせました。 その土地のことはその土地の人に訊け、とばかりに香取市立佐原中央図書館へいざいざ。 時間が限られていることもあり、さっそく図書館員さんにレファレンスをお願いしました。レファレンス・インタビューの後、何点かの郷土資料を提示。 資


わたし
- 2022年12月11日
中公文庫『作品集 講釈場のある風景』読了
みなさま、こんにちは。 寒さが日ごとに増してきましたね。 先日、中公文庫『作品集 講釈場のある風景』(2022年刊)を読み終えました。 僭越ながら感想などを記したいと思います。 こちらの本は中央公論新社によるオリジナル編集で、講談や講釈場が登場する評論や随筆、小説が所収されています。 夏目漱石や永井荷風といった文豪が当時の講釈場の風景を追想したり、小島政二郎や有竹修二といった講談に明るい人たちによる当世芸人評、また、瀬戸内寂聴などによる講談師に材をとった小説があったりと、よりどりみどりで講談周辺をたのしむころができます。 待っていたよね!こういう本! 生活の中に、娯楽のひとつとして、街角の風景として、存在していた講談。 そのひとかけらを今によみがえらせる一冊。 うれしい! そしてたのしい! 個人的には有竹修二の文章が読みやすく、且つわかりやすかったです。ジャーナリストならではの平明で広い視点ゆえでしょうか。有竹修二の知り合いとして名があがっている森暁紅、以前この人物による著作『芸壇三百人評』をおもしろく見ていたので、ここで登場してきて驚きつつもう