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2022年5月上方講談見聞録

束の間ですが、上方講談をたのしんできたので記しておこうと思います。

何やらブログタイトルが壮大な感じになってしまいましたが。


2022年5月20日(金)

旭堂南湖 小泉八雲特集 於:玉造・百年長屋

旭堂一海「源平盛衰記 那須与一」

旭堂南湖「エベレスト」

旭堂一海「池田輝政と督姫」

旭堂南湖「ろくろ首」(小泉八雲作)

 -仲入り-

旭堂南湖「難波戦記 真田の入城」

古民家をリノベーションしたような百年長屋はとても雰囲気よく、生声が届く広さで、20~30人程度で演芸を愉しむことができます。夜に来たのは初めてでしたが、少し暗めな灯りでしっとりと落ち着きとても居心地がよかったです。


南湖先生の高座はいつぶりでしょう?

この会ははじめてお伺いしましたが、継続されているお馴染みの会のようで、南湖先生のお客様で親しみやすい空気感。“講談を聴く場“としてあたたまっている、という印象でした。小学生低学年の子も客席に、若いお客さんが育っているぞ!


南海先生に一海さんというお弟子さんがいることは知っていましたが、高座を見るのは初めてでした。おお、なんと素晴らしい若者なのでしょう! 那須与一で一気にファンになってしまいました。南海先生のように一言一句に説得力と安定感があり、わたしたちを物語に導いてくれます。そして仕草もきれい。十七歳の与一の清廉さ、ひいふっとぞ射貫きたる矢勢が見えるよう(平家物語のファンとしては「ひいふつとぞ射きったる」と言いたくなる)。


南湖先生の「エベレスト」は自身の父親とのエッセイ風思い出話から、遠くエベレストへ物語が進んでいき、ああ、これもう講談に入っているのか、と途中で構成の巧みさに驚きました。「富士山に登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿」。

小泉八雲の作品「ろくろ首」では、話の展開に釘づけ、生首のつるりとした感じにぞわぞわ。スタンダードな講談の読み物では出会わないような味わいがありました。

最後は難波戦記より真田の入城。おおおお、うれしい。のどかな九度山の風景から、一転物物しい計画、そして真田幸村の大坂城入城へ。物語が厚みを増して立ち上がっていきます。何話か分を編集して一気に読み切っているのでしょうか? また、修羅場読みや武具拵えの言い立て、独特の読み口を聴きながら、講談でしか表現できないこと、ということもふと考えました。そしてやっぱり講談はかっこいい、好き、と改めて胸躍りました。



2022年5月21日(土)

第119回上方演芸特選会  於:国立文楽劇場小ホール

露の眞「道灌」

真山隼人「徂徠豆腐」

レモンスカッシュ 漫才

旭堂南海「赤壁明神の由来」

 -仲入り-

天光軒新月「桃中軒雲右衛門」

豊来家幸輝「太神楽曲芸」

桂文之助「天狗裁き」

こちらは前々から気になっていた上方演芸特選会。

文楽劇場の3階には小ホールがあるのですね。

演芸会に浪曲が2つも入る構成は上方ならではだな、と毎回番組表を見ながら感心していました。今回は病気明けの真山隼人さんや講談からは南海先生がご出演ということもあり行けてうれしかったです。


南海先生は「赤壁明神の由来」。

落語の「猫定」に似たお話でした。時に笑いを交えながら、川端の殺し、怪談めいた場面ではじっくりと。そしてこれは加古川に実際に赤壁明神の祠があると結びます(春日神社内の小さな祠、丸亀神社?)。史実や伝承に基づいたお話だったのですね。わたしは前日、玉造で黒猫に出会っていたので、あれはタマだったのかな?なんて偶然をたのしんでいました。

後で知りましたが、南海先生は加古川のご出身なのですね。

久しぶりに上方講談を堪能しました。

以前は選ぼうにもあまり講談会を探せなかったのですが、今は週末どこかで何かしら聴けるようになっている印象。今回はよい巡り合わせで2つも充実した会へ寄ることができました。

インターネットでの配信やアーカイブが充実してきましたが、やっぱり現場に勝るものはなしですね。またすぐにでも上方講談を聴きに行きたくなりました。

(東京の講談会もあまり行けてないのに何を言ってるんだ!という自分ツッコミはさておき…)

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